2022年06月11日

cyoumon no ixtusin watanaberoujirou

武力を振るうロシア・中国の現実に適応せよ
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            加瀬英明
 

 ウクライナのプチン戦争が始まってから、3ヶ月目に入ったが、高齢
者、女性、児童の虐殺が続いている。

 私は全世界が21世紀にあると思うと、誤っていると説いてきた。2022年
の常識は通用しない。

 ロシアは15世紀にイワン3世(在位1440〜1505年)が周辺を 蚕食(さん
しょく)して、ツァーリ(皇帝)、全ロシアの君主であるゴスダリを名
乗ってから変わっていない。イワン3世は、「イワン大帝」と呼ばれる。

 中国も体質が秦の始皇帝が紀元前221年に、はじめて武力によって中
国全土を統一して中華帝国が生まれてから、まったく変わっていない。

 プチン大統領はかつてのロシア帝国の再興をはかっており、習近平主席
もことあるごとに国家目標として「5000年の偉大な中華文明の復興」を呼
号している。

 プチン大統領も、習近平主席も、平和を唱えるものの、「ロシアの平
和」「中国の平和」であって、武力しか理解できない。

 プチン大統領は2008年に隣国で、関取栃ノ心の母国であるジョージ ア
に侵攻して5日間で奪うことに成功し、2014年に4日間でウクライナからク
リミ ア半島を捥(も)ぎ取ることができたために、今回も電撃戦によって
ウクライナの首都 キーウを数日で占領して、傀儡政権を樹立することが
できると誤算した。そのために、 ウクライナ東部と南部を削り取ること
を目標としている。

 プチン大統領のウクライナ戦争は、日本の憲法改正の動きにとって強い
追い風となった。それでも護憲派の人々は、なぜか、目を覚まさない。

 『月刊日本』という勝(すぐ)れ者(もの)の雑誌がある。右から左までの
論客が登場するので、よい勉強となる。発行人は南丘喜八郎主幹で好漢
だ。私が30代 でラジオ日本のトーク番組を持っていた時の担当者だった。

 同誌の5月号に、神戸女学院大学名誉教授のU氏が寄稿している。

 「憲法の理想にあわせて現実を作り変えよ」という見出しがあって、ロ
シアが「力は正義だ」と振舞っているのに対して、「自民党周辺で憲法改
正や核共有の 議論が勢いづいています。(中略)ウクライナが激しく抵
抗すると、(注・自民党周辺 が)『武力より愛国心が大切だ』と言い立
てた。現実が変わるごとにころころと態度を 変える。(中略)」

 「しかし、真のリアリストは現実に適応することよりも、現実を作り変
えることを重んじる人です。(中略)その理想はすでに日本国憲法に書か
れていると思 います(後略)」

 きっとU氏はプチン大統領や、習主席を説得して、日本国憲法の信者に
改宗させることができると信じておられるのだろう。

 しかし羆(ひぐま)が町に現われた時に、日本国憲法を護符のように翳
(かざ)してみても、羆には文字が読めまい

 昭和天皇は占領下で何回もアメリカ大使館に行幸されて、マッカーサー
元帥と会談されておられる。

 新憲法が公布された後に、天皇は憲法が日本に軍を保有することを禁じ
ているのについて、「アメリカはずっと日本を守ってくれるか」と御下問
になられた。 マッカーサー元帥は「そうさせていただきます」と奉答した。

 アメリカは日本に防衛力を強めることを求めている。現実に適応すべき
ではないのか。
     


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【変見自在】日系大統領
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        高山 正之 


 退職金を貰えなかった警官が、怒って銃を手に走行中の観光バスを乗っ
取った。
 一昔前、マニラ市街で実際にあった騒ぎだ。

 警官隊が包囲し、香港からのツアー客のうち女子供らを解き放てと交渉
して10時間、バスの中に男の乗客15人だけになったところで、警官隊が
突っ込んで犯人を射殺した。

 ただ人質も大方が被弾して8人が死亡、3人が重傷を負った。状況から
警官隊が犯人もろとも銃弾を浴びせたのは明らかだった。

 フィリピンでは阿漕に稼いででかい顔をする支那人は嫌われていた。

 香港政庁は「人質は香港人で支那人じゃない」と説得したが、フィリピ
ン人の野次馬も警官隊もその違いはあまり気にしなかった。

 だから犯人と一緒に撃ち殺した、では明らかなヘイトクライムだ。

 それをどう言い訳するか。難しい判断を迫られたのが時の大統領ベニグ
ノ・アキノ3世だった。

アキノ家は名門で、曾祖父はフィリピンを奪いにきた米国と戦い続けたア
ギナルド将軍の右腕を務めた人物だった。

 祖父のベニグノ・アキノ1世も民族派で、日本軍が米軍を追い出したあ
とにつくられた民族派政権では国会議長を務めた。

 因みに純粋の民族派大統領は少なく、米統治時代の大統領ケソンは正真
正銘のスペイン人だった。

 戦後、マッカーサーに指名されたキリノは生粋の支那人。就任式の祝い
にモンテンルパに繋がれた日本人戦犯3人を吊るした。

 彼はまた日本に法外な賠償を要求し、断られると14人の戦犯を一晩で吊
るして日本を脅した。

 いかにも支那人で、民にも尊大に当たり、それでしばしば華人街が焼き
討ちに遭った。

 支那人への悪評はアキノ家にも影を落とした。

なぜならベニグノ2世が娶ったコラソンはこの国の経済を牛耳る許寰哥
(コファンコ)ファミリーの娘だったからだ。

 2世はそのカネで独裁者マルコスに挑むつもりだったが、米国から戻っ
てきたマニラ空港であっさり暗殺されてしまった。

 マルコスが仕組んだというにはあまりにあけすけな暗殺だった。

 それでも素直なフィリピン人はアキノ家に同情し、マルコスは国を追わ
れ、代わって支那人コラソンがすんなり大統領に就いた。

 コファンコならやりかねない華僑的国盗り物語に見えなくもない。

 実際、彼女が就任するや支那人の流入が増え、今や「300万人を超え
る」(樋泉克夫・愛知県立大名誉教授)勢いにある。

 加えて北京の思惑に合うようにクラーク・フィールド、スービック・ベ
イの米軍基地を閉鎖した。

 基地経済は消滅し、民の貧困は進み、支那人だけが太っていった。

 それから10年、コラソンの息子ベニグノ3世が大統領に就いてすぐ香港
人の観光バスで不幸が起きた。民の思いは実に素直だ。

 で、3世はどうしたか。南沙での北京の横暴を国際法廷に訴え、支那人
の脱税に目を光らせ、名門アキノ家の面目を復活させた。

 その後のデュテルテは北京に接近し、むしろ米国と距離をとった。

 なぜなら彼は生粋の地元民で、出身はレイテ島。アギナルドの時代に米
軍に抵抗した廉で全島民が皆殺しにされた。デュテルテ家は数少ない生き
残り組で、反米も理解できる。

 そして今回は独裁者マルコスの忘れ形見と華僑系のレニー・ロブレドが
大統領の座を争い、マルコスJr.が競り勝った。

 日本の新聞は何で独裁者の息子がと首を捻る。

 考えても思い浮かぶのはイメルダの3000足の靴しかない。華僑との
確執も知らない。

 この地はスペイン人、米国人、支那人がきては踏み荒らしていった。で
も民はちゃんと学んで、今は最も支那人を嫌う。

 今度の選択も実は大統領の血筋にあるという。

 検索すると彼の父は「日系」とある。許寰哥(コファンコ)より遥かにま
しに見える。

〈新潮社編集部より〉

高山正之氏の本紙連載が、文庫になりました。

『変見自在 バイデンは赤い』(定価1650円)絶賛発売中。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
 松本市 久保田 康文 
週刊新潮採録



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国家の国民に対する責任放棄
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         三橋貴明


結局のところ、「小さな政府路線」とは、国家が国民を守らない、という
発想です。少なくとも、方向性としてはそうなります。政府は緊縮財政、
財政均衡主義。政府が支出するにしても、最低限の財・サービスにしか支
出しない。
(いわゆる「夜警国家」ですね)

それまでの公共サービスは、民営化。「投資」「出資」可能な民間のビ
ジネスと化す。特に、日本で限界が見えてきたのが、電力サービスの自由
化です。

2001年9月1日の東日本大震災、福島第一原発事故以降の、「原発停止」
「FIT導入」「発送電分離」
「小売り自由化」などは、全て、「政府が電力サービスに対するコミット
を放棄し、民間(のビジネス)丸投げとする」という発想で、電力自由化
が推進され、結果的に我が国は送配電会社(大手電力10社)が、国民の電
気に対する需要を満たせない状況に至りました。

それはまあ、送配電会社は発電所を持っておらず、発電について「市
場」に任せた以上、必然的にそうなります
そもそも、電気代は日本の場合は「鉱物性燃料」の価格で決まります。主
流のLNG(液化天然ガス)の価格が「外国の事情」で上昇すれば、どう
にもならない。
http://mtdata.jp/data_79.html#denki

大震災と原発事故で日本の「電力改革」が本格化した。
「競争を激化させれば、電気代が下がる」というお題目で推進されたわけ
ですが、結果はどうでした?

国家の電力サービスに対する関与を強めなければなりません。他に、日
本のエネルギー安全保障を強化する方法はない。当然、原発は再稼働です。

いい加減に理解しましょう。「小さな政府路線」の電力サービス(電力
だけではないですが)とは、単に「国家の国民に対する責任放棄」に過ぎ
ないし、過ぎなかったのですよ。
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