わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン
頂門の一針 6182号
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2022(令和4年)年 6月28日(火)
世界激変、経済安全保障が新ルールだ:櫻井よしこ
“最も信頼できる”戦況分析:高島康司
ゼレンスキーを操っているのは誰か?:高野孟
ウクライナ、すべての野党を非合法化:宮崎正弘
重 要 情 報
身 辺 雑 記
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頂門の一針(まぐまぐ)
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世界激変、経済安全保障が新ルールだ
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櫻井よしこ
日本ルネッサンス 第1004回
米国切っての中国問題専門家、マイケル・ピルズベリー氏が著書
『China2049』(日経BP)で、自分は中国に騙されていたと悔
やんだ。氏自身も、氏を重用した米国政府もいまや中国心酔の熱からさ
め、現実に目醒めた。彼らは矢継ぎ早に対策を打ち出した。軍事力増強は
無論、貿易、技術移転等の制限で中国を締めつける枠組みを強力に推進中だ。
日本はどうか。前国家安全保障局長、北村滋氏は、近著『経済安全保障
異形の大国、中国を直視せよ』(中央公論新社)で、わが国の安全保障意
識の低さについてこう記した。
「我が国の行政法大系の大宗をなす事業法。政府が保安、育成等の観点か
ら民間事業を規制する一連の法律群だ。ここには安全保障の観点はない」
わが国の法体系に安全保障の考えが全くないというのだ。経済大国であり
ながら国防を米国に頼りきりで恥じないのは、国法の根本に自国防衛の思
想がないことにも起因するのか。国防意識を欠いたまま、経済肥大化の道
を走ってきた日本だからこそ、世界を動かす鍵となった「経済安全保障」
の意味も、その重大性もよく理解できないのではないか。
北村氏は経済安全保障を「経済を、安全保障政策の力の資源として利用す
る政策、分かりやすく言えば経済的措置を武器の代わりに使うという攻撃
的又は能動的側面」と説明する。
右の考え方を正確に理解できれば、どのようなモノや技術を潜在的敵国に
移転してはならないのかを判断できるはずだ。が、現状を見るとその危機
感が余りに薄い。核、ミサイル、侵略の意図の全てを有する中国、ロシ
ア、北朝鮮などに対しても警戒感がなさすぎる。
福田恆存は国家をフィクションだと喝破した。国民が「守り通す」と決意
し、日々守る努力を重ねなければ潰(つい)えてしまう脆弱な存在が国家だ
という意味だ。福田の国家論に基づけば、現在の日本人の国家に対する考
え方や姿勢が続けば、やがて日本国は膨張欲の強い中国のような国に呑み
込まれ、消滅するだろう。日本人の国を守る意識がどれほど希薄か、北村
氏の著書から、防衛庁(現在の防衛省)元技官の事例を拾ってみる。
売国行為の動機
元技官は2002年、防衛庁技術研究本部主任研究官で定年退職した。在職中
に、潜水艦の船体に使われる「高張力鋼」と呼ばれる特殊鋼材やその加工
に関する技術報告書をコピーし、第三者を介して中国側に渡した。日本の
潜水艦技術、とりわけ特殊鋼材に関する技術は世界屈指のレベルにある。
高張力鋼情報の漏洩は、潜水艦の潜航深度や、魚雷からの攻撃でどの程度
破壊されるかといった弱点を教えるばかりか、「敵」の潜水艦建造に利用
される。
元技官は、資料は最終的に中国側に渡ると思っていたことを認めたが、わ
かっていながら飲食代欲しさでスパイになったわけだ。
売国行為の動機が飲食代かと腹が立つ。しかし警察庁外事情報部でスパイ
を取り締まってきた北村氏は言うのだ。「実は飲食が一番安上がりな手な
のです。人間とはそういうものなのです」
スパイたちはかつて、命懸けで情報受け渡しの現場を押さえられないよう
に工夫した。ところが技術の発達で状況は一変した。東芝子会社の社員
は、ロシアの対外情報庁(SVR)の先端技術獲得部門所属のスパイ、サ
ベリエフと居酒屋やファストフード店で会い、東芝の半導体やその製造工
程に関する情報を渡していた。ある夜、彼らは居酒屋を出て駅まで並んで
歩いた。北村氏は彼らの「無警戒」な行動に「正直面食らった」。
スパイとその協力者が堂々と肩を並べて歩く。こんな緩みきった事象は、
いくら技術が発達して情報受け渡しの形態が変わったからといって、他国
ではあり得ないのではないか。スパイ防止法もなく、罪も非常に軽いスパ
イ天国、日本ならではの現象ではないのか。現にこのケースでは、事件が
発覚するとサベリエフはロシアに逃げ帰り、東芝子会社の社員は「起訴猶
予処分」となった。日本にスパイ防止法が必要なゆえんだ。
これらの事例は、実は本書の入り口にすぎない。本書の真髄は習近平国家
主席の下で、異形の大国中国がどのような戦略に沿って前進しつつあるか
を鋭く描き出した点にある。
北村氏はまず、中国人民大学教授、王義桅(ワンイーウェイ)氏の「一帯一
路」構想についての考え方に着目する。それによると、「一帯一路」は、
中国を陸上と海上に同時に進出させることにより、従来、ハートランド
(大陸の中心地域)に依拠した文明を陸海兼備の文明に変質させ、中国文
明に内生的変化を生じさせるというのだ。
米国は孤立化する
これまでは海洋国家が先行的に発展し、経済や文明の流れは沿岸から内陸
に向かい、それが「東洋は西洋に従属し、農村は都市に従属し、陸地は海
洋に従属する」という負の効果を生み、国際秩序の「西洋中心論」をもた
らしたと、王氏は説く。
しかし、習近平氏の一帯一路は、このような従来の世界秩序を再編するこ
とになると王氏は考えているというのだ。中国とロシアを含む欧州の連合
を通じて、ユーラシア大陸を世界文明の中心に回帰させれば、米国は「孤
島」の地位に落とされ、孤立化する。それこそが中国の大目標だ。王氏の
ユーラシア大陸論の視点はそこに辿り着くという北村氏の見方は正しいだ
ろう。
ユーラシア大陸の決定的重要性について、北村氏はニコラス・スパイクマ
ンによる第二次世界大戦中の研究『平和の地政学』を紹介している。
「米国の2.5倍の広さと10倍の人口(当時)を持つユーラシア大陸全体の
潜在力は将来アメリカを圧倒する可能性がある」「アメリカが統一された
ユーラシアのリムランド(辺境)に直面することになれば、強力な勢力に
よる包囲状態から逃れられないことになってしまう。よって平時・戦時を
問わず、アメリカは、旧世界(ユーラシア)のパワーの中心が自分たちの
利益に対して敵対的な同盟などによって統一されるのを防ぐことを目指さ
なければならない」
米カーター政権の国家安全保障担当大統領補佐官、ブレジンスキーは25年
前にユーラシア大陸の重要性を喝破したが、それより50年以上も前にスパ
イクマンが同様の警告を発していたのだ。
中国がユーラシア大陸を統合すれば日本こそ危うい。中国の戦略は、「海
洋民主主義国家が協力して、この地域の自由貿易や法の支配を進める」と
いう日本主導の「自由で開かれたインド太平洋」(FOIP)や、「日米
豪印」(QUAD)協力体制の思想とは真正面から対立する。
根本的に相容れない専制独裁体制の新世界秩序構築に抗する手段が経済安
全保障だ。北村氏は孫子の兵法をも踏まえて本書を上梓した。氏の書を心
して読むのが国益であろう。
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“最も信頼できる”戦況分析
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敗北するウクライナ、戦時中の日本と酷似か。西側メディアが報じない
“最も信頼できる”戦況分析=高島康司
日本の主要メディアでもウクライナの劣勢が伝えられるようになってきた
ものの、いまだにアメリカを始めとした西側諸国からの大型火器の武器支
援でウクライナは反撃に転じ、ロシア軍を撃退するという希望的な観測を
述べる専門家が多い。しかし海外のレポートや報道を見ると、こうした希
望的な観測を許さないほど、ウクライナ軍の敗色が濃くなっている。
(『未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ』高島康司)
※毎週土曜日or日曜日16:00からLIVE配信予定「私たちの未来がどうなるか
考える!メルマガ内容の深堀りと視聴者からの質問に答えるQ&A」世界中
から情報を収集、分析し、激変する私たちの未来を鋭く予測する『ヤスの
備忘録』でおなじみ、ヤスこと高島康司さんのライブ配信が大人気。世界
の未来を、政治経済の裏表だけでなく、歴史、予言、AI、陰謀、スピリ
チュアルなどあらゆる角度から見通します。視聴方法はこちらから。
この記事の著者・高島康司さんのメルマガ
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敗色濃厚なウクライナの戦況
日本の主要メディアでもウクライナの劣勢が伝えられるようになってきた
ものの、いまだにアメリカを始めとした西側諸国からの大型火器の武器支
援でウクライナは反撃に転じ、ロシア軍を撃退するという希望的な観測を
述べる専門家が多い。
しかしこうした観測は、ワラにもすがるように、ウクライナ軍に有利なわ
ずかな情報にしがみついているだけのように見える。
東部ドンバス地方を中心とした戦況は、こうした希望的な観測を許さない
ほど、ウクライナ軍の敗色が濃くなっている。こうした状況は日本ではほ
とんど報道されることがないので、今回の記事で書くことにした。
ウクライナ戦争の戦況の詳細は、スイス参謀本部の元大佐でNATO軍の一員
としてウクライナをモニターしていたジャック・ボー、また複数の専門家
の集まりである「ザ・デュラン」、米国防総省出身と思われる人物の分析
を掲載する「ドレイゼン・レポート」、米軍情報将校で元国連核査察官の
スコット・リッター、ロシア軍の動きに詳しい軍事アナリスト、アンドレ
イ・マリヤノフの分析、米軍出身の分析者、ブライアン・バーレティッ
ク、そして、世界で300万人の読者を持つ大手紙、「アジア・タイムス」
が毎日行っている戦況報告である。
これらのソースはほぼ同じ戦況を報告しており、ズレがない。客観的な現
実を知るにはもっともよいソースである。
このなかでも、「ドレイゼン・レポート」を発信しているジェイコブ・ド
レイゼンは突出している。経歴の詳細は一切発表していないのではっきり
とは分からないが、ロシア語に非常に堪能で、ロシア内部の情報に詳し
い。「ドレイゼン・レポート」は戦況を詳しく報告するだけではなく、次
にどうなるのか予想をして、そのすべてを的中させている。分析者のなか
でも突出した存在だ。
「アジア・タイムス」の戦況分析
それでは、「アジア・タイムス」がほぼ毎日掲載している戦況分析と評価
を見てみよう。「アジア・タイムス」は、複数の軍やシンクタンクの情報
源に基づくウクライナの戦況レポートを掲載している。各方面の戦争プロ
パガンダや誤報を排除するために、最善を尽くすとしている。
<6月20日の戦況の評価>
東部ドンバス地方でのロシア軍の動きは、緩慢ではあるが、再び活発に
なっており、ドンバス地方最東端のウクライナ軍への補給を中断するだけ
でなく、断ち切る決断をしたようである。
今後の重要な課題は、訓練された人材の確保である。消耗戦はウクライナ
に有利ではない。ウクライナ側は、これまでに最大で50%の武器と装備を
失ったとされているが、NATO諸国は時間をかけてそれを補うことができる
と主張している。
しかし、実際に代替できないのは、失われた人的資源である。一方、奇妙
なことに、ある米国情報機関の幹部は、「ウクライナ人は武器を与えれば
戦い続けられるというのが一般的な論調だ。しかし、ロシア人はウクライ
ナの約4倍の人口を抱え、組織的にも人口的にも完全に崩壊寸前であると
評価されている」と言っている。
NATOは、「カリーニングラード封鎖を破ろうとするロシアの脅威に対して
対処する準備ができていない。しかし、カリーニングラードはロシアの核
ミサイル旅団、SS-26の基地である。3月には核兵器演習が行われ、2機の
SU-24が核兵器を積んでバルト海上空を飛行している。
ちなみにカリーニングラードは、リトアニアの飛び地でロシア領である。
必要な物資の多くは、ロシアからリトアニア領を通過する鉄道で輸送され
ている。6月20日、リトアニアは鉄道の通過に厳しい規制を課した。これ
がカリーニングラード封鎖である。
<その他>
タス通信によると、5月に「アゾフ製鉄所」で投降した「アゾフ大隊」の
スビャトスラフ・パラマール副司令官と第336海兵旅団のセルヒイ・ヴォ
リンスキー司令官はロシアに移送され、裁判に備えてモスクワの「レフォ
ルトヴォ刑務所」に収監されているとのことである。
そして、捕虜となったアメリカ人傭兵の裁判も行われることになりそうだ。
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ゼレンスキーを操っているのは誰か?
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戦争で金を儲ける「代理店」の存在 :高野孟
プロフェショナルによるイメージ戦略により、たやすくコントロールされ
てしまう我々の意識。商品やサービスのコマーシャルがその最たる例です
が、戦争に関しても、私たちは広告のプロたちにいいように騙されている
ことは確実なようです。今回のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』では著
者でジャーナリストの高野孟さんが、湾岸戦争やボスニア・ヘルツェゴビ
ナ紛争で米国の広告代理店が展開したPR作戦を詳しく紹介。たとえ流され
る情報がフェイクであれ、彼らの「働き」が戦争の行方を左右するという
空恐ろしい現実を記しています。
プロフィール:高野孟(たかの・はじめ)
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告
会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経
ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイ
ダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授
に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県
鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。
戦争の行方を左右する「広告代理店」のマインドコントロール戦略/ゼレ
ンスキーを操るのは誰か?
戦争にプロパガンダは付き物で、アンヌ・モレリ『戦争プロパガンダ10の
法則』(草思社文庫、2015年刊)によるとどちらの側も次のように言いた
がる。
▼われわれは戦争をしたくなかった。しかし敵側が一方的に戦争を望んだ
のだ。
▼(だから)敵の指導者は悪魔のような奴だ(と判るだろう)。
▼われわれは領土や覇権のためではなく、偉大な使命のために戦う。
▼われわれの大義は神聖なもので、これは正義の戦いである。この正義に
疑問を投げかける者は裏切り者である。
▼(いや)われわれも意図せざる犠牲を出すことが(少しは)あります
よ。だが敵はわざと残虐行為に及んでいる。卑劣な兵器や戦略を用いてい
る……。
何やら、ごく最近も毎日のように耳にしてきた論法のようにも聞こえる
が、これは英国の貴族の家柄でありながら労働党のリーダーになったポン
ソンビー卿が、第1次大戦中に英政府が行った「あらゆる国民に義憤、恐
怖、憎悪を吹き込み、愛国心を煽り、『嘘』を作りあげ、広め」るための
戦争プロパガンダの手法を分析して「10の法則」としてまとめたものの要
約である。著者のモレリはベルギーの歴史家で、これらの法則が第2次大
戦でもその後の戦争でも繰り返されてきた常習パターンであることを後付
けている。
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ウクライナ、すべての野党を非合法化
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和四年(2022)6月22日(水曜日)
通巻第7376号
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ウクライナ、すべての野党を非合法化、財産を没収
欧米は、言論の自由を奪ったゼレンスキー大統領をなぜ批判しない?
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ウクライナの野党最大の「生活のためのプラットフォーム党」
(OPPL)は、2022年6月20日にウクライナ裁判所によって公式
に政治活動が禁止された。ウクライナ法務省は当該野党の資産、資金を州
に譲渡するとした。
すでに3月20日にウクライナに存在した11の野党はすべてが活動禁
止措置となっている。そう、ウクライナには野党がないのだ!
「親ロシア」の政党は存在も活動も認可しない訳だから、自由は失われ、
全体主義と変わりないと批判されても仕方がないだろう。ところが不思議
なことに西側は、ロシアの言論の不自由を批判しても、ウクライナの自由
の封殺については沈黙している。
この闇を照らすと、ウクライナ政治を影で動かした一人のオルガルヒが
浮かんでくる。
20年以上に亘ってプーチンと家族ぐるみの親密な関係にあって夏休み
には黒海でプーチン一家とも海水浴を愉しんでいたのがヴィクトル・メド
ヴェドチュクである。かれはクチマ政権で大統領補佐官を務め、ロシアと
のパイプライン利権を持ち、ゼレンスキーに敵対してきた。ゼレンスキー
大統領の胴元でアゼフ連隊の資金源でもあるユダや人オルガルヒのコロモ
イスキーとは利権上のライバルでもあった。
メドヴェドチェクはパンデミック危機にさいしてもモスクワへ飛んで
プーチンからワクチンの無料給付の約束を取り付けた。メデヴェドチェク
しか出来ない離れ業だった。
これを妨害したのはバイデン政権だった。21年8月にメドヴェドチェ
クの秘書官だったボーシィが米国へ飛んで、CIAと接触した。後日、米
国はこれをもって反ゼレンスキー大統領のク−デターが画策されたとし
た。危機を察したボーシィはダラスで銀行から資金を下ろし、セルビアへ
亡命した(TIME、22年2月2日)。
▲背後で画策したのはバイデン政権だった
すぐ後に米国はウクライナの親ロシアのオルガルヒの在米資産凍結を発表
した。
OPPLはウクライナ最大の野党。得票率(2019年議会選挙)は13%だっ
た。2021年の世論調査ではゼレンスキー大統領の「国民の僕」を上回る人
気だった。
OPPLはロシアと良好な関係を追求し、ゼレンスキーの西側重視は国
益に有害とするとメドヴェドチュクは主唱した。
2021年5月、メドヴェドチュクはクーデターを画策した「反逆罪」で告発
された後、自宅軟禁となり、足にGPSが架せられ、自宅は監視され、彼
のもったテレビ局は閉鎖された。夫人はテレビ番組の人気アナウンサー
だった。娘のダリアはプーチンが名付け親である。
そして逮捕された。
22年5月14日、ゼレンスキー大統領は、「反ウクライナ」と見なされ
る政党を禁止するプロセスを簡素化する法案に署名した。
モスクワとの紛争に関して、政府の公式的立場に反対、もしくは異議を唱
える当事者は、その活動を禁止し、資産を没収することができるというシ
ロモノ、たとえば、ドネツク共和国とルガンスク共和国の軍隊を「反政府
勢力」と呼ぶのは違法であり、「テロリスト」と呼ばれるべきだと規制さ
れた。
かくして旧ソ連で言論の自由が確保されているのはバルト三国(エスト
ニア、ラトビア、リトアニア)、かろうじて言論の自由が残るのはアルメ
ニア、ジョージア。言論の自由がまったくないのはベラルーシとウクライ
ナという図式になった。
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樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 2382回】
──習近平少年の読書遍歴・・・「あの世代」を育てた書籍(習48)
△
64年に入ると、毛沢東とその周辺が蠢動を始める。
年初、康生は劉少奇支持派が押さえる文芸政策当局が推奨する古典に材
を取った映画『桃花扇』を批判し、「投降主義だ。台湾やフルシチョフに
送って見せてやればいい」と難癖を付ける。
2月に入ると毛沢東は「本は多く読んだからと言って良いというわけで
はない。マルクス主義の本は読まねばならないが、多くを読むことはでき
ない。精々が数十冊だろう。読み過ぎると逆転して書迷(本の虫)になる
か、教条主義や修正主義になるのが関の山だ」と、劉少奇や?小平が進め
る大躍進後遺症脱出策──ある程度の私有財産を認めることで労働意欲を刺
激し生産活動を活発化させる──を修正主義だと批判する。
5月、国防部長の林彪が『毛主席語録』を全軍に配布し、人民解放軍の
全兵士に毛沢東思想の徹底学習を指令した。
6月、毛沢東は革命現代京劇『智取威虎山』を観劇し、大感激の態で役
者一同と記念写真を撮る。もちろん同行は江青である。
8月、京劇の現代化を目指す全国京劇現代戯観摩(コンテスト)会の総括
大会に臨んだ康生は、劉少奇派が押さえる文芸政策当局を激しく批判した。
なお10月14日には毛沢東が蛇蝎の如く嫌ったフルシチョフが失脚している。
なにやら文革前夜を思わせる64年の出版で手持ちは『草原児童団』(上
海人民出版社 8月)と『林紅和?的?伴』(費・林・陳・童子編絵 人民
美術出版社 10月)の2冊。
『草原児童団』は「東の空が明るくなり、太陽が昇る。毛主席の英明な
指導の下、カラチン草原は解放され、至る所に紅旗が翻る。農民は地主を
倒し、田地を等しく分け、大地は精気に溢れる。児童団も喜び勇み、自ら
の持ち場を守り、地主と富農による策動の監視を怠らない」で始まる。
主人公の児童団長は「黒牛」と呼ばれる13歳の少年で、腰に拳銃を挿
し、鋭い槍を手にした剽悍な姿が描かれている。民兵隊長から「土匪討伐
から戻るまでの間、村を守れ。村に残る地主や富農がおかしな動きを見せ
たら、直ぐに連絡せよ」と指令を受けるや、黒牛は仲間の団員を指揮して
地主や富農の動きに目を光らせる。
ふと見つけた怪しげな足跡を追うと、山中の洞窟に向かっている。監視
を続けると洞窟から「大花蛇」と呼ばれる土匪が這い出してきた。みんな
で大花蛇を追い詰め立木に縛り上げ調べた結果、洞窟の中に隠された大量
の武器を発見する。毛沢東の説く「土豪劣紳(ごろつき)」が共産党に反
攻を試みようとした動かぬ証拠であった。
かくて児童団は民兵隊と共に土豪劣紳を粉砕し、意気揚々と村に戻る。
子どもは子どもとしてではなく、毛沢東の革命に尽くす「小さな大人」
として描かれている点は、紅衛兵より幼い世代の紅小兵の出現を予感させ
るに十分な絵本と言える。64年の時点で、すでに文革への導火線に火が点
けられていたのでは・・・用意周到・深謀遠慮。
『林紅和?的?伴』は、古くから中国で見られた連環画──絵と簡単な文章
で綴られる絵物語──である。
主人公の林紅は、農村の中学校を卒業したばかり。共産党下部組織の共産
主義青年団々員で、可愛らしく気立てがよく、そのうえ肉体堅固で我慢強
い娘さんだ。
両親が都市で仕事をしているので本来なら都市で進学できるのに、「農
村こそ広大な天地。そこでは、なんだってできないことはない」という毛
沢東の「有難い教え」を堅く信奉している。
だから農村に留まり、自分から率先して困難な仕事に立ち向かおうと決意
したというのだから、共産党にとって非の打ち所のない理想的な若者とい
うことになる
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★読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声★
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(読者の声1)自民党の防衛費を五年以内にGDP2%に増やすという方針
が、(岸田総理とは反対に安倍氏の意向を組み入れ?)決まりましたが、
一方「防衛費増額は(国債などではなく)いまの歳入から捻出を」という
世論の意見が多いと産経記事に在ります。
小生は通巻7340号で下記のように投稿しました。
1.岸田総理は民間預金を投資に回すと言っているが、実際は投資資金量
には問題はなく、「投資資金が不足しているからイノベーションが生まれ
ず経済成長できない」のではない。フォーカスすべきは「投資資金をどう
やってイノベーション・事業化に繋げるのか」だ。
2.日本の専門家やマスメディアの論調は、「日本もシリコンバレー風の
民間主体の環境を整えよ!政府が民間のベンチャーを支援せよ!」だ。然
しアメリカの、「最優秀な人材がトップスクールに行き、成長した世界的
会社で働き数年後に起業して、再生産を加速している」のではなく、アメ
リカ政府の産業政策は軍事産業向けの政策が主体であった。
3.一言でいえば、日本がアメリカのようなベンチャー大国になれない最
大の理由は
親方日の丸のせいでも、規制のせいでも、外国人が少ないからでも、英語
が話せないからでもない。単にアメリカは世界最大の軍事大国であったか
らだ。このことを完全に理解してきたのが中国・イスラエル・ロシアであ
る。スケールの大きなイノベーションとは、「お花畑国家」から生まれる
ほど簡単なモノではなく、生存をかけた厳しい競争を基盤にこそ生まれる
「生存をかけた軍事強化とコインの裏表」であるのだ。
岸田首相は、盛んに骨太の方針として、ヒトへの投資を強調しますが、
どうせ実際は実物価値へではなく、サービス業分野(これとてGDP を増大
させる!)にばかりお金が流れ、イノベーションへ繋がらず無駄に終わる
事でしょう。
然るに防衛費の倍増を一気呵成に集中させる方が一挙両得となります。換
言すれば防衛費を「経由」して民間の経済成長を促す起爆剤にするのが賢
明なのです。
(SSA生)
2022年06月28日
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