2022年07月26日

わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン

わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン
               頂門の一針 6210号
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   2022(令和4年)年 7月26日(火)


   
人間だけが「不倫」と騒ぐ不思議:竹内久美子

岸田政権「資産所得倍増計画」: 斎藤満

露中北を“戦争できない国”にする:シーチン”修一

大統領兄弟が逃亡したスリランカ:宮崎正弘 
                 

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人間だけが「不倫」と騒ぐ不思議
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竹内久美子


【正論】人間だけが「不倫」と騒ぐ不思議 昨今「いけない」と叫ぶのは
「真面目型の男たち」だ

昨年初めの、いわゆる「ゲス不倫」騒動以来、私は「不倫」についての
コメントを求められ続けている。最近では特に、議員の不倫について聞か
れる。「議員たるものが不倫なんかしていいんでしょうか?」と。

 この際、はっきりと言っておこう。単なる浮気(ペア外交尾)に対し、
わざわざ倫理に反するなどと大騒ぎ。本来、いいとか悪いとかではない
(むしろ動物として大変重要な)問題に対し、わざわざよくないという価
値観を導入しているのは人間だけなのである。

≪いかに自分の遺伝子を残すか≫

 動物はいかに自分の遺伝子を後世に残していくかが最大の課題である。
しばしば「種の保存」とか「種の繁栄」とか言われるが、それは大変な間
違いで「種」ではなく、どう「自分の遺伝子」を保存し繁栄させていくか
が問題だ。

 そのためには、繁殖の相手からより質のよい遺伝子を取り入れることが
重要になる。質がよいというのは、免疫力や生殖能力が高いという意味で
ある。動物の基本は、病原体などに打ち勝ち、生き延びることと、繁殖に
成功することなのだから。

 そこで主にメスが、質のよいオスを探すことになる。なぜメスがオスを
選ぶのかと思われるかもしれないが、深い事情がある。

哺乳類のメスを例にとるなら、メスはいったん身籠もると出産、授乳と続
き、次に子を得られるのはずいぶん先のことになる。ところがオスにとっ
ては次に子をなすチャンスは精子が回復したとき。それをいかせるかどう
かはともかく、チャンスだけは巡ってくる。よって相手を真剣に査定する
必要がないが、メスは同じ産むなら質のよいオスの子を、と慎重に相手選
びをすることになるのである。

≪夫婦で別行動は哺乳類で「異例」≫

 その哺乳類において、婚姻形態は実は乱婚的な場合が結構多い。その
際、どのオスにもチャンスがあるわけだが、メスを妊娠させる競争で勝利
するのは、最も多くの優れた精子を持ったオスである。メスはオスどうし
にこのような「精子競争」をさせ、結果として最も質のよいオスを選んで
いる。

 そして哺乳類で、もし夫婦の関係があったなら、べったり一緒に行動す
るのが常識だ。一夫一妻のテナガザルやタヌキはもちろんのこと、一夫多
妻のゴリラもオスはメスたちと四六時中行動をともにする。そうやって監
視していないと、あぶれオスがメスをさらっていくか、メスが「あら、
こっちのオスの方がいいわ」とついて行ってしまうからである。

そうしてみると人間は哺乳類として異例だ。夫婦の関係がありながら、
しょっちゅう別行動をとっている。別行動の際に何が起きるかは言うまで
もない。

 実は人間にそっくりな社会をつくっているのが、鳥である。鳥の90%
以上が一夫一妻で、夫婦が巣作り、エサやりなどを協力して子育てをする
が、巣材探し、エサ探しの際は別行動。オスもメスも浮気に意欲を燃やす
が、メスは亭主より「いい男」とのみ浮気する。

 そうしてある種では巣の中のヒナの70%以上が他のオスの子であった
という凄(すさ)まじい例さえある。あのオシドリも、鴛鴦(えんおう)
の契りなど結んでおらず、毎年相手を変えている。人間の浮気など、実に
大したことはないのである。

≪倫理に訴えるのは真面目型の男≫

 では、なぜ人間には「浮気はよくない」「倫理に反する」などという価
値観が存在するのだろう。

 私はこれこそが、複雑な音声言語を持ち、脳も発達するという人間なら
ではの特徴を備えるためのきっかけとなったのではないかと思う。女が浮
気をするとしたら、パートナーよりも「いい男」限定である。浮気という
リスクを冒しながら、わざわざ「冴(さ)えない男」を選ぶだろうか

 そうすると「冴えない男」たちは永遠に女の浮気相手とはならずじまい
だ。悔しい、何とかモテる男の足を引っ張れないものだろうかと考え、
「浮気はいけない」「倫理に反する」というプロパガンダを流し始めた。

 そのような倫理観が広まると、人間は浮気を隠れて行うとか、ごまかす
必要が生じてきた。相手の浮気の追及や話の矛盾をつくなど、緻密な思考
能力も必要となる。このような過程を通し、ますます脳が発達し、言語も
より複雑で巧妙なものになってきたのではないだろうか(詳しくは拙著
『浮気人類進化論』)。

 そして、全ての人間が浮気に精を出すわけではない。男にも女にも真面
目型と浮気型がありそうだと随分前から論じられている。2015年に
は、この件について初めて検証が行われ、イギリスと北米で計500人以
上の男女のSOI(ソシオセクシュアル・オリエンテーションの度合い)
が調べられた。性的な関心がどれほどよそに向いているかの尺度だ。

 その分布を調べると、男女ともにふた山から成っていた。SOIの低い
方の山が真面目型、高い方の山が浮気型だ。昨今「不倫はいけない」と叫
んでいるのは、この真面目型の男たちなのである。(動物行動学研究家、
エッセイスト・竹内久美子 たけうちくみこ)

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
松本市 久保田 康文 

産経新聞採録

            
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岸田政権「資産所得倍増計画」
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斎藤満

岸田政権「資産所得倍増計画」の罠に嵌る日本国民。「貯蓄から投資へ」
を実現しても資産は増えない=

岸田政権が参院選で大勝し、その勢いで新しい資本主義に根差した「骨太
方針2022」を具体化する段階に入ります。政府は年末に「貯蓄」から「投
資」へ、「資産所得倍増計画」を打ち出す意向です。しかし、これには思
わぬ「罠」が潜んでいます。心して取り掛からないと、茶番に終わりかね
ません。(『マンさんの経済あらかると』斎藤満)


プロフィール:斎藤満(さいとうみつる)
1951年、東京生まれ。グローバル・エコノミスト。一橋大学卒業後、三和
銀行に入行。資金為替部時代にニューヨークへ赴任、シニアエコノミスト
としてワシントンの動き、とくにFRBの金融政策を探る。その後、三和銀
行資金為替部チーフエコノミスト、三和証券調査部長、UFJつばさ証券投
資調査部長・チーフエコノミスト、東海東京証券チーフエコノミストを経
て2014年6月より独立して現職。為替や金利が動く裏で何が起こっている
かを分析している。

池田内閣の所得倍増計画より厄介
宏池会の大先輩、池田隼人内閣がかつて打ち出した「所得倍増計画」にあ
やかって、岸田政権は「資産所得倍増計画」を提示しています。

同じ宏池会の系譜として、何とか所得か資産を増やしたいとの思いが強い
ようですが、これは容易ではありません。池田内閣か目指した所得倍増計
画は、実は政府が何もしなくとも実現した可能性かあります。政府は当時
の高成長に乗るだけでよかったからです。

池田内閣は1960年に「国民所得倍増計画」を閣議決定し、1961年からの10
年で国民所得を2倍にする長期経済計画を打ち出しました。当時のブレー
ンはエコノミスト下村治氏でした。

一見大風呂敷のように見えますが、日本経済は1956年頃より高度成長期に
入っていて、1973年まで年平均10%の成長を実現していました。毎年10%の
成長を続ければ、7年で所得は2倍になる計算です。実際にこの所得倍増計
画は超過達成しました。

この成功体験があったために、安倍政権は長年GDPが名目で500兆円前後で
増えない状況を打破しようとして、5年間で名目GDPを100兆円増やし、
2020年度600兆円を目指す計画を打ち出しました。

しかしこれはあえなく失敗に終わりました。むしろこの25年で賃金が全く
増えていない世界でもまれな国、のレッテルを張られました。

そこで岸田政権は所得の増加目標はあきらめ、「資産所得倍増」として打
ち出しました。家計の金融資産が2,000兆円に達したことをとらえ、これ
を利用して資産、所得を増やす道を探ろうとしています。特に、利息を産
まない預貯金に全体の半分以上も預けている日本の状況には、これを打開
する余地が大きいとにらみました。

しかし、資産所得の何を倍増させるのか不明確です。

2,000兆円の家計金融資産を4,000兆円にする、というのはいくら毎年金融
資産が増えているとはいえ、この倍増は非現実的です。では金融資産が生
み出す所得(例えば利子所得、配当所得)を2倍にしたいのでしょうか。
もっとも、多くの国民は利子所得や配当所得がどれほどあるのか知りません。

資産所得倍増といっても、国民には何がどうなるのかイメージがわきませ
ん。それだけ政策的なインパクトは弱いと言わざるを得ません。

さらに、ここには専門家でも誤解しかねない難しい問題が潜んでいます。


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露中北を“戦争できない国”にする
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“シーチン”修一 2.0

【雀庵の「大戦序章」73/通算505 2022/7/24/日】久し振りに中勘助の
自伝的小説「銀の匙」(ぎんのさじ)を読み直したが、読み直すと新しい
発見、感動があり、読書のキモは再読、三読にある、とひとつ智慧がついた。

読書は交際と似ており、初対面(初回)では互いに遠慮とか警戒心があ
るからあまり深い話はしないが、2回目(裏を返す)、3回目(馴染み)あ
たりになると「いやあ、実は俺・・・」とかの話になって親交が深まった
りする。そう言えば夏彦翁は「私は生きている人と死んでいる人を区別し
ない。斎藤緑雨も友達だ」とか書いていたっけ。書を通じて友になる。

「銀の匙」、いやはや凄い作品だ。物心ついたころから中学生頃までの
回想なのだが、5歳なら5歳の自分に帰って回想している。大人の目で振り
返っているのではなく、5歳の目で見た、感じたことを細密画と言うか、
まるでタイムマシンで「その時」に戻って今、生で体験しているように描
いている。

「どういう脳ミソなんだ、いやはや恐れ入り谷の鬼子母神、一歩間違え
ばキ〇ガイだな」。繊細過ぎて、これでは汚濁に満ちたシャバでは生き辛
いだろうなあと心配になるほど。WIKIにはこうあった。

<「銀の匙」は前編が1910/明治43年に執筆され、1913/大正2年には
「つむじまがり」と題された後編が執筆された。夏目漱石に送って閲読を
乞うたところ絶賛を得、その推挙により前編全57回、後編全47回が東京朝
日新聞で連載された。

1921/大正10年に岩波書店から単行本が出版され、1935/昭和10年には岩
波文庫版が発行された。岩波文庫版には和辻哲郎が解説を寄せている。
2003/平成15年に岩波書店が創業90年を記念して行った「読者が選ぶ〈私
の好きな岩波文庫100〉」キャンペーンにおいて、本書は、夏目漱石の
『こころ』『坊っちゃん』に次いで3位に選ばれた。

岩波文庫版は113万6000部が発行され、岩波文庫で10位に位置するベス
トセラーとなっている(2006/平成18年12月現在)>

中勘助と岩波茂雄は第一高等学校の同期で、英国留学から帰国した夏目
漱石が講師として第一高等学校に着任、両人は漱石の講義を受けた。東京
帝大でも2人は同期で、やはりそこでも漱石の講義を受けているから、漱
石の「猫」だったろう。漱石は面倒見が良い。

それにしても「ベストセラーで今なお人気・・・」とは知らなかったな
あ。「青空文庫」でも読めるというのも知らなかった。まったく知らない
ことばかりで、それなら「俺の知ってることは何なんだろう」と自問すれ
ば、プロになれるほどの学問、技、能力があるわけではない。家庭をもっ
て3人の子を育て、晩年も窮することなく暮らしているから「まあまあの
人生」だろうが、余生とは言え「まあまあの晩年」では・・・ちょっと寂
しくないか。

俺はビッグになるんだ、なりたいんだ、歴史に名を刻むんだと思ったと
ころで、汚名ではなく名誉ある行動でなければ「欲をかいて晩節を汚し
た」となってしまう。ナポレオン、レーニン、スターリン、毛沢東、プー
チン、習近平・・・独裁者はよほど自制しないと晩節を汚すことになる、
腹黒爺さん、気をつけなあかんで。

市井の民は「若い時はともかくも晩年はすっかり好々爺でした」あたり
で、ま、良しとするのが無難のよう。それは頭では分かっていても気分的
にはナンカナーだけれど・・・まったく人生は「いっつも初体験だで」、
頭の良さそうな人でも右往左往は日常茶飯事。厄介なことだ。

厄介は 生きてる証拠 頑張らな それにつけても 日々悩ましい(修一)

フランスのマクロンは、何をするか分からないドイツを手なずけながら
EUをリードしてきたが、このところオーラが感じられなくなってきた。メ
ルケルおばさんがいなくなったからなのか? 戦後のフランスを導いたド
ゴールは評価はともかくも東西のバランサーとして機能していたが、今、
フランスはどうなっているのだろう。

終戦以来80年、かつて威勢の良かったフランス共産党が今や絶滅危惧種
になったのは結構だが、「国民の活力を減退させる手厚い福祉政策」(小
生はそのうち書く予定)のためなのか、何となく緊張感が薄れて“おフラ
ンス”になったよう。

同国では共産主義独裁帝国プーチン・ロシアに擦り寄る勢力を「右
派」、環境ナチみたいなのを「左派」、その中間を「中道」と呼ぶよう
だ。フランス革命以来、議会の壇上、議長席から見て右側の席を右派、左
側の席を左派と呼ぶそうだから、日本や米国の「右派=保守系」「左派=
アカ系」とはずいぶん違い、ややこしい。以下の(*)は修一。

<【2022/6/20 AFP】フランス国民議会(下院、定数577)の決選投票が
19日に行われ、左派連合(*環境ナチ)と極右勢力(*アカ)の躍進を受
けてマクロン大統領の与党連合(中道)は過半数を大幅に割り込み、245
議席にとどまった。マクロン氏の2期目の政権運営にとって大きな打撃と
なった。

内務省発表に基づくAFPの集計では、急進左派のメランション氏率いる
左派連合(*環境ナチ)は135議席。極右(*アカ)のマリーヌ・ルペン
氏の「国民連合」は前回の8議席から89席に伸ばし、最大の右派(*ア
カ&ピンク)勢力となった。

マクロン氏は2期目に向け、減税、福祉制度改革、定年退職年齢の65歳
への引き上げといった政策を掲げていたが、いずれも実現が危ぶまれている。

左派紙(*環境ナチ)リベラシオンはマクロン氏にとって「大きな痛
手」になったと報道。今回の選挙結果は同氏の政権運営の「失敗」を意味
すると評している。政局の混乱は数週間続く可能性がある>

マクロンのフランスは足元に火がついてウクライナどころではないよ
う。どうなるものやら・・・プーチンの「宇」侵略戦争で覚醒した三井美
奈氏は産経2022/6/20「ワンマン大統領に反発 フランス政界『3強』構造
の不安」でこう書いている。

<今回の選挙では、かつてEUを支えた保革二大政党(中道与党連合)の
凋落が決定的になった。EUが財政や環境、外交で統合を進める中、政策の
新たな選択肢を示せなかったことが大きい。下院選は中道政党による現実
的な政策論争がないまま、「マクロン政権か否か」に終始した。

EUでは各国で、戦後政治を支えた保革二大政党制が崩壊。どこも多党連
立を余儀なくされ、安定政権の樹立が難しくなっている。フランスは過去
20年、大統領与党が下院で安定多数を保ってきたが、不安の時代を迎えた>

なんとなく「欧州情勢は奇々怪々」の不安定な時代に入りそう。EU加盟
国の結束が緩めば、ウクライナを侵略するプーチン・ロシアを喜ばすだけ
だ。プーチンは欧州へのガス供給を絞って報復的な欧州分断作戦を進めて
いるが、「ガス欠になったらどうしよう、寒い冬には耐えられない!」と
の泣き言も根性なしのドイツあたりから聞こえている。日経2022/7/20
「欧州『節ガス』へ緊急計画 消費15%削減を要請」から。

<EUの欧州委員会は20日、ロシアからの天然ガス供給の途絶や大幅減少
に備えた緊急計画案を公表した。減少分を補うため他地域からの調達や再
生可能エネルギーの導入を強化するが、それだけでは足りず、加盟国に
15%の消費削減を要請するなど需要減にも取り組む。需要期の冬を前に欧
州の危機感が高まっている。

西側諸国と対立を深めるロシアは欧州へのガス供給を絞り込んでいる。
欧州委によると、6月時点で過去5年間の平均に比べて、ロシアからEUへの
ガスの流量は3割以下に低下している。

欧州では、ロシア北西部からドイツをつなぐガスパイプライン「ノルド
ストリーム」を通じた供給再開が予定される21日以降も供給量が以前の水
準に戻らなかったり、供給停止になったりする事態が懸念される。ロシア
国営ガスプロムが供給契約を結ぶ複数の欧州企業に「不可抗力」で供給を
保証できないと通告したとの報道もある。

EUのフォンデアライエン欧州委員長は20日の記者会見で「ロシアがガス
を兵器として使っている」と批判した。今後の一段の供給減を想定し「EU
としてエネルギー安全保障に取り組む必要がある」と力説した。

【記事へのコメント】伊藤さゆりニッセイ基礎研究所経済研究部研究理
事:「ロシアは、欧州向けのガス供給の削減について様々な理由をつけて
いるが、EUの脱ロシア産ガスの体制が確立する前に供給を絞ることでEUの
結束に揺さぶりをかけて、ウクライナ支援の意思を挫き、対ロシア制裁の
解除へと動かそうという意図は明白だ。

節ガス緊急計画はエネルギーを武器とするロシアの脅しには屈しないと
いうEUの意思の表れでもある。

今回の政策文書では、深刻な供給途絶にEUで協調し調整して備えた場合
のGDPの押し下げ効果は平均的な冬で0.4%、寒い冬で0.6%。供給途絶が
現実化するまで対応しなかった場合は平均的な冬で0.6%〜1.1%寒い冬な
ら0.9%〜1.5%との試算も示し、行動を呼びかけた(以上)

EUはアゼルバイジャンからのガス輸入を倍増する覚書を締結したが、EU
や加盟国はロシアがガス輸出を完全に止める事態も念頭に、アゼルバイ
ジャンのほかカタール、西アフリカ、エジプト、米国などから天然ガスや
液化天然ガス(LNG)の輸入を増やそうと調整を急いでいるという(日経
2022/7/19)。

これは他人事ではない。プーチンは日本へのガス供給も停止する構えを
見せている。時事通信2022/7/2「サハリン2、権益なお不透明=政府支援
も『条件』見えず LNG調達、不安定化の恐れ」から。

<ロシア極東の石油・天然ガス開発事業「サハリン2」をめぐり、日本
政府は大手商社が権益を維持できるよう支援する方針を打ち出した。しか
し、ロシア政府が権益維持に課す条件などは明らかになっておらず、先行
きはなお不透明。

液化天然ガス(LNG)の重要な調達先であるサハリン2からの供給が途絶
えれば、都市ガスや火力発電の原燃料であるLNGの調達が長期にわたり不
安定化しかねない。

サハリン2には、ロシア国営ガスプロムが約50%出資するほか、三井物
産が12.5%、三菱商事も10%出資する。LNG生産量は年1000万トンで、こ
のうち約6割が日本向け。日本はLNGの8.8%をロシアに依存しており、そ
の9割がサハリン2から賄っている>

先の大戦でソ連(ロシア)は日ソ中立条約を破って日本侵略をし、日本
の領土を奪った。こういう、信じてはいけないゴロツキを相手にガス開発
するという、ほとんどノー天気な甘さが危機を招いた面がある。日本だけ
ではないが、自由主義圏の国々によるアフガニスタンへの支援も安易過ぎ
た。一党独裁の中共への投資も、カネに目がくらんだこともあるが、「や
がて共産主義を止めて普通の国になるだろう」という根拠のない安易な期
待が先行したことによる

今からでも遅くはない、自由圏諸国は「独裁赤色軍事帝国の中露北は永
遠の敵」と肝に銘じて断交し、鉄のカーテンによる包囲戦で封じ込めるべ
し。ソ連はそれで消滅したのだから効果は実証されている。ギブアップし
たら国連なりNATOなど国際機関による統治で20前後ほどの国、最大でも1
億人程度の国に分割し、「100年間は二度と戦争できない国」にすべき
だ。日本を見よ、効果抜群である。




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大統領兄弟が逃亡したスリランカ
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
      令和四年(2022)7月20日(水曜日)
          通巻第7410号
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大混乱、大統領兄弟が逃亡したスリランカ
   7月20日、臨時国会で臨時大統領選挙
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 スリランカは5月に510億ドルのデフォルトに陥った。ガソリン値上
げ、猛烈インフレは6月だけでも54・6%。食糧不足、医薬品払底。国
民の不満は大統領一族に向かい、辞任を求めるデモ隊数千は大統領官邸を
占拠した

 マヒンドラ、ゴダバヤ、バジルは「ラジャパクサ」王朝の三兄弟。一番
下のバジルは財務大臣辞任に追い込まれ、7月12日に空港から1785
万ルピーがつまった鞄をもって、ドバイへ出国を試みたが、認められな
かった。バジルは米国のパスポートも持っている。

 ゴダバヤ大統領は同日、妻とボディガード二人をしたがえUAEに出国
しようとしたが、やはり認められず、翌日、空軍機でモルディブへ逃亡し
た。まだ軍隊には大統領権限を行使できたのだろう。

 ところが13日に逃亡と聞いたモルディブ市民らが首都マレ市内で抗議
集会をひらき、「ゴダバヤ でていけ!」を連呼した。兄のマヒンドラが
先にモルディブへ出国しており、沖合のリゾートアイランドに滞在中だっ
た。モルディブは1200の島々からなる広域な海域に点在する島嶼群で
あり、どの島に滞在しているかは分からない。

 ところが14日、シンガポールニ到着したサウジアラビア機にマヒンド
ラ、ゴガバヤ兄弟が搭乗していたらしく、物々しい警戒がチャンギ国際空
港に敷かれた。入国の確認はないが、当局者は「当時はまだ大統領であ
り、保護されるべきであって、国際常識だ」とした。
 7月18日、シンガポールのメディアはラジャパクサ兄弟のシンガポー
ル滞在が確認されたとした。
    
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  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム  
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樋泉克夫のコラム 
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【知道中国 2395回】       
習近平少年の読書遍歴・・・「あの世代」を育てた書籍
   ▽
 かくて「10月18日のこの日は僕らの生涯で忘れ難い一日となった。この
日午後2時19分53秒、僕らは偉大なる導師、偉大なる領袖、偉大なる統
帥、偉大なる舵取りの毛主席との接見を果たした」。その時、紅衛兵の狂
おしいばかりの熱気が天安門広場を覆った。

 以上が、『一心為公的共産主義戦士蔡永祥』に納められた「我らは蔡永
祥同志について行きます!」と題された紅衛兵による追悼文の一部だ。こ
の「蔡永祥同志」こそ、我が身を犠牲にして列車転覆事故を未然に防いだ
と全国に喧伝され、「毛主席の真正の立派な戦士、プロレタリア文化大革
命に身も心も捧げた守り手」なのである。

 いま、いや当時においても彼の「死」の真相を詮索しても無意味だろ
う。66年10月といえば文革開始直後だ。なにか1つ、衝撃的な話題が欲し
かったはずの文革派メディアにとって、願ったり叶ったり。申し分ない宣
伝材料であったはずだ。
 早速、『人民日報』(11月18日付)が「文化大革命の忠実な守り手」と
題する社説を発表し、「蔡永祥同志」の英雄的行為を賞賛し、その壮絶な
死を大々的に悼んでみせたのである。

 解放軍機関紙『解放軍報』は、「一心を公に捧げた共産主義の戦士  
──身を捨てて紅衛兵専用列車を救った蔡永祥同志に」(10月30日)、「一
瞬一秒を争う精神
で世界観を改造せよ  ──再び一心を公に捧げた共産主義の戦士・蔡永祥
同志を論ず」(11月18日)、「革命戦士の頭には私心という雑念が入り込
む余地は全く無い  ──三たび一心を公に捧げた共産主義の戦士・蔡永祥
同志を論ず」(12月1日)と異例の大キャンペーンを3回も張り、激越なア
ジテーションを繰り返し、全国各地で「蔡永祥同志」を顕彰し学習する運
動を巻き起こそうと画策したのである。

 『一心為公的共産主義戦士蔡永祥』は上記の社説、毛沢東への思慕の念
と毛沢東思想学習の成果が綴られた蔡の日記の一部、全国から寄せられた
追悼文を収め、毛沢東思想を学び毛沢東の立派な兵士たらんと奮闘努力す
る「蔡永祥同志」への賛歌で埋め尽くされる。
 表紙を開くと「数限りない烈士は、人民の利益のために我われの進むべ
き道の前方で英雄的な犠牲を遂げる。彼らの旗を高く掲げ、彼らの犠牲を
踏み越えて前進せよ!」と『毛主席語録』の一節が記されている。
文革期に出版された書籍の巻頭に『毛主席語録』を掲げた相当に早い段階
の1冊と思われる。初版発行32万冊。決して少ない部数ではない。

 毛沢東が紅衛兵に与えた「万能の護符」である「造反有理」「革命無
罪」は、どのように作用したのか。そのカラクリを『「紅衛兵」選集』
(焦毅夫編 大陸出版社)が説いている。

 この本は、文革初期に暴れ放題に暴れ回った紅衛兵たちが劉少奇・王光
美夫妻を告発・断罪するために書きなぐった壁新聞やらパンフットを収め
ている。
 当時、毛沢東を戴く文革派が「最大の当権派(実権派)」「中国のフル
シチョフ」「彼」などと劉少奇を直接名指しせず婉曲に表現しているとこ
ろからして、いずれ劉少奇は粛正される。そこで取り急ぎ劉少奇関連の文
章を集めた──というのが、出版の意図だそうだ。

 「見よ、劉少奇の醜悪な心の底を」「劉少奇叛徒集団を打倒せよ」「満
腔の怒りをこめて、労働大盗賊の劉少奇を糾弾するぞ」「劉少奇の反革命
のツラの皮を剥げ」「王光美は毛沢東思想に刃向かう大毒草だ」「地主階
級の孝行息子・劉少奇の姿を暴露せよ」「劉少奇・王光美は『左』を装っ
た『右』である」「造反の粉砕を目論む劉少奇・王光美を告発する」な
ど、じつにおどろおどろしく、禍々しくも勇ましい表題が並ぶ。

 当時、紅衛兵は毛沢東から「造反有理」「革命無罪」という護符を与え
られていたから、当たるところ敵もなければ怖いものもなし。極論するな
ら自分が気に入らない人物を毛沢東の敵と決めつけ、つるし上げ、考えら
れる限りの悪罵を投げかけ、精神的に辱め、肉体的に苦痛を与え、嬲り殺
した。
 文字通り『血祭り』にして気勢を挙げたのである。
      □☆●□☆●□☆●☆□☆●□☆●□ 
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   読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 
読者之声
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(読者の声1)東電株主代表訴訟についての小生による「読者の声」投稿
について、7月19日通巻第7409号で、2件ほどのご意見ご感想をいただ
きました。しかし小生の文章の未熟によるものでしょうが、大きな誤解が
あるようで、いずれも納得できません。
 まず、小生は「法律を越える状況を予見できなかったから有罪(法律違
反)」(赤井氏)などと言っているわけではありません。私が東電ないし
はその経営陣が強く責められるべきは、まさに赤井氏がおっしゃる「原子
炉への外部からの冷却水の注入、住人の避難などなど。この減災の段階で
あるべきです」という趣旨を述べたつもりで、この減災についての対策が
あまりにも杜撰であった点が問題だと申しているのです。
 また(KAM)氏は、「東電の経営陣及び地震予知に対して神の見透しと
無限の資金を要求せられた事になりませんでしょうか」と言われますが、
小生は、そのようなことを主張しているのではありません。小生は、大地
震ないしは津波の「発生」そのことについて、その「時、所、程度」を予
知することはほとんど不能であったとしても、「施設冷却設備を、原子力
発電施設本体と同時に損傷、破壊されることが絶対にないように設置して
おくべきであった」と言っているのです。
 なお米国において「経営判断の原則」(Business Judgement Rule)の
適用が認められ、取締役の過失責任が軽減されるためには、当該時点にお
いて可能な限りの調査、研究を経た上での判断であったこと、が要件とし
て挙げられています。 
「施設冷却設備を、原子力発電施設本体と同時に損傷、破壊されることが
絶対にないように設置しておくべきであった」という程度の対策は、少し
調査、考察すれば容易に出てきたはずの判断ではなかったのではないで
しょうか。 
本件は株主代表訴訟であったことから、損害請求額も異例の高額になった
ものでしょうが、小生が言いたいのは、東電経営陣の負うべき責任は、法
的責任をはるかに超えるものではないかということです。この判決による
賠償額を被告が「完済」できることはあり得ないとしても終生をかけて賠
償の責めを負うことが過重なものとは、小生にはとうてい思えません。
 前稿を繰り返しますが、小生は「この事件について、大地震ないしは津
波の「発生」そのことについて、その「時、所、程度」を予知することは
ほとんど不能であったことは認めざるを得ないでしょう。
しかし低い可能性、蓋然性であるとしても、それがゼロではあり得ない以
上は、万が一にも「生起」してしまった場合に、その被害、損害を最小限
に食い止めるために必要な、事前の予備的保全対策は絶対的に必要であっ
たと思います。
 その意味で、災害が起こったとしても、施設冷却設備を、原子力発電施
設本体と同時に損傷、破壊されることが絶対にないように設置しておくべ
きであったことはあまりにも当然のことではなかったか」ということです。
(椿本祐弘)
   ♪
(読者の声2)植物は外部から炭酸ガスをもらい、酸素を放出しているよ
うに全ての生命体は代謝機能を有していて、生命維持に必要な価値を得る
ために、それと同等の価値を放出している。
この集合体が生態系というのだろう。ヒトがほかの動物と異なるのは、ヒ
トは等しいということを認識し、等しさを追求するということ。何かと何
かを同一視すること、つまり代謝における「もらう」と「与える」を等し
くすることだ。価値にもプラスの価値と、マイナスの価値があり、人が何
か被害を受けるとそれに等しい何かを相手にぶつけ、「仕返し(=レシプ
ロシティ等しくさせる)」は成る。A:今度の元安倍総理事件とB;東京電力
幹部への巨額の賠償責任問題も似たようなメカニズであるように私には見
えるのです。
 A:犯人は宗教団体にお金を吸い上げられたため、家庭崩壊や自分の今の
苦しい境遇を作ったのだから、その「マイナスの等しい価値」を宗教団体
にぶつけなくてはならない。
然し自分の受けた大きな被害に等しい何かを、宗教団体にぶつけるに効果
的な方法が「微力な自分」には保持できない。然るに安倍元総理という大
きなベクトルを有する人物を宗教団体に「同一視(すり替える)」させる
ことで、宗教団体に対する仕返しを「成功」させたい。

 B:東北大地震は、東電事故を引き起こし、多くの人に大被害をもたらし
た。然し地震は自然現象であり、自然(神)に対して、被害を受けた人間
は仕返しはできない。そこで自然に変わる何かに対してその責任を取らせ
なくては済まない気持ちになる。そこで自然以外の誰か(何か)に責任の
所在を「肩代わり」させたいと思うのだ。

 実際にあの東北大地震で特に、身内の方などを失われ人たちの心情を
おもんばかれば、その無念さを晴らすためにどこに責任があったかを追求
するお気持ちはよくわかりますし、その御心情に沿うご意見が多いことも
理解できます。
それ故 貴誌通巻7409号で赤井さまが「ただし、何もしないというこ
とではありません。防災に失敗したので、次は減殺に努める必要がありま
す。原子炉への外部からの冷却水の注入、住人の避難などなど。東京電力
が責められるとすれば、この減災の段階であるべきです。」と指摘されて
いるご意見は「自然に対する人間の矜持」を示すうえで大切なことだと思
います。(SSA生)

(読者の声3)統一教会は1970年代から珍味売りが盛んだったが、みな洗
脳された死んだ目をしていた。大学では原理研究会名目で勧誘していたが
共産党系の民青に一ヶ月だけ加入したためか一度も勧誘されなかった。
文鮮明は1990年代に北朝鮮とロシアに進出。ゴルバチョフ財団をつくり金
をバラまくもロシア人はゴルバチョフを評価していなかったためあえなく
失敗。
https://jp.sputniknews.com/20220716/12027220.html
 オウム真理教も当時ロシア進出、政治と宗教と武器がからむ不可思議な
展開だった。1990年代、中野に住んでいた頃は郵便受けにオウム真理教の
パンフレットがしょっちゅう入っていた。読むほどにバカらしく、追加料
金で修行をショートカットできるとか、ひっかかるのはよほどのバカかと
思ったら高学歴のバカばかりだった。あんなインチキ宗教にどうして洗脳
されるのかと思うが、振り込め詐欺と同じようなものだから、引っかかる
人は後をたたないのだろう。
 新興宗教といえば幸福の科学や霊友会は昔からラジオで宣伝していた。
幸福の科学は幸福実現党で毎回選挙に出ているが、千葉選挙区でさえ2万
票余りしか取れない弱小政党。中野駅前ではウクライナ支援のカンパをし
ていたが、これまた死んだ目ばかり。それでも夕刊フジにコラムがあった
のはイタコ芸の総裁の書籍の広告のおかげか。年間発刊点数でギネス記録
を持つとされる大川隆法総裁、こんどは安倍元総理の霊言を公開だとい
う。以前には安倍首相の守護霊霊言なる本も出している。
 大川総裁の長男が YouTubeで内情を暴露していたがまさに宗教ビジネ
ス。なんでこんなインチキ宗教がとは思うが、宗教など政治とカネの最た
るもの。東西冷戦時代、ポーランドの自主管理労組「連帯」にはバチカン
が資金を出していたといわれる。
バチカン銀行事件やら生臭い話は数しれず。日本も政治と宗教の問題に深
くかかわるのは命がけかもしれない。
  (PB生、千葉)
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重 要 情 報
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◎7月24日のサッカーと野球:前田正晶

サッカー:

東アジアE-1選手権とやらの中国対我が方のB代表のそのまた二軍の試合を
観戦した。森保監督は前回の対香港戦で6点を取った者たち全員に替え
て、全て新たな選手を起用したと聞いて「如何にもこの人らしいことをす
る」と感じていた。私は未だにこの監督さんを何処まで信頼して良いのか
判断に迷っている。この総入れ替えも、招集した者たちを使ってみて何処
まで出来るかを試そうとの意図があったのかも知れないが、格下相手に0
点の引分けではどう評価すべきか解らない。

新メンバーたちは当方が最も嫌っているサッカーを展開して、遂に全員
が引いて守り、甚だしいときは解説の岡田武史氏が指摘されたように、中
国が守りに5〜6人を並べていたので、大袈裟に言えば蟻一匹も入り込めそ
うな隙間もなかったかのように見えた。中国は時たま機会が訪れれば逆襲
には出たが、何としても得点を許さないとの固い決意の下に試合に臨んで
いたのであると見た。そこに決定力不足の我が代表が攻め込むのだから大
きな期待は出来なかった

その相手に対してBティームの二軍たちは攻めあぐんでいた。そうなっ
たのも当然で、何時ものように後陣で安全第一のディフェンスバックス間
で横→横→後のパス交換でボールを保持し、少しでも相手が突っかけてくれ
ば躊躇せずにGKまで回してしまうのだ。テレビ中継だとボールのあるとこ
ろばかりを映し出すので、昨夜は極力前線で誰かが裏を取って動くか、フ
リーになろうとするかを見るようにしていた。ボールを持っている者が裏
に落ちるパスでも出すかにも注目していた。

正直に言えば、そう期待するのは無駄だと解っていた。彼らは結局中国
の鉄壁の守りを崩せなかった。釜本が指摘していたように「現在のサッ
カーでは寄せてきた相手を抜き去っていくような『自分でやってやろう』
というサッカーを何故やらないのか」と、苛立たせられるサッカーが90分
間も展開された。

それが「安全第一」なのか、そういうサッカーをするように子供の頃か
ら育てられてきたのかは解らない。だが、我々のWMフォーメイションの時
代とは比較にならないほど技術が向上していながら、何故あれほどパス交
換に徹して攻めないのかと気になった。また「シュート力が弱いのも何故
かな」と不思議に思っていた。

President誌の対談で川淵三郎氏が「Jリーグを作ってから全般的に技術
の水準は上がったが、サッカー界には大谷翔平のような図抜けた選手が現
れない。物足りない」という意味の事を言っておられた。これに対して、
ファーストリテイリングの柳井正氏が「思い切ってやってやろうという気
概が見えない世代だ」と指摘しておられた。良いことを言っておられると
感じて読んだ。

私は四十雀でサッカーを楽しんでいた頃に、何度か若い世代と試合をす
る機会があったが、技術水準は我々の世代では考えられないほどの高みに
達していたが、気迫は感じ取れなかった。そういう事実から考えてみる
と、「これこそが世代間の物の考え方と見方の隔たり(ギャップと言えば
解りやすいか?)の表れであって、昭和一桁生まれでWMフォーメイション
の時代のサッカーしか知らない者が論評すべきではないのか」と考え込ま
された。

スワローズ対カープの野球:

この言わば「裏番組」も一寸気になっていたので、しきりにチャンネルを
変えて見ていた。と言うのも、スワローズが前夜に多くの非感染者を使っ
た試合で、カープに22本ものヒット打たれて惨敗していた状態から、どれ
ほど立ち直っていたかに関心があったからだ。既に指摘してあったこと
で、スワローズは多数の感染者が出た後でも監督も不在でも、試合を続け
5連敗したのに、3連戦を中止して貰った球団もあったからだ。連盟の措置
は不公平ではないかと言いたいのだ。

所が、途中から見たこの試合では、スワローズは青木宣親を除いて全レ
ギュラーメンバーが復帰していたし、高津監督の顔も見えていた。残され
た関心事は「前夜に22本も打ってしまったカープが晴らしてスワローズを
連覇するほど打てるのかな」だった。矢張りというか何というべきか打て
ずに、4対2で負けてしまった。勝った方のスワローズにしても、4点が全
部ホームランで、流れの中でRBIを取っての勝利ではなかったが、多くの
主力選手が復帰したばかりでは仕方があるまい。

これでまた、「セントラルリーグでは勝率が5割に戻ったカープ以外の4
球団の負けの数の合計が、スワローズの勝ち数に等しい」という状態に
なってしまった。言ってみれば、セントラルリーグの火が消えそうな「一
強五弱」の事態に近付いたのである。それも問題かも知れないが、NPB当
局はこのCOVIDの第7波襲来の時期にあって、大量の感染者を抱えてもオー
ルスターゲームを本気で開催するのだろうか。

なお、「何故、逸ノ城が平幕優勝した相撲を取り上げないのか」という
疑問に対しては「私は相撲とは我が国の歴史と伝統に輝く興行である」と
認識しているので、ここに論じる考えはないと申し上げておく。



◎ふるさと納税、自治体の取り分はわずか3割。富裕層と広告代理店だけ
が儲かる血税の無駄遣い制度=神樹兵輔

税金を控除しながら各地の名産品が手に入ると人気の「ふるさと納税」。
しかし、実態をよく見てみると、金持ち優遇と一部の業者だけが。税金で
儲けるというシステムになっています。「ふるさと納税」は税金の無駄遣
いでしかありません。平等という観点からは即刻中止すべき愚策です。
『神樹兵輔の衰退ニッポンの暗黒地図――政治・経済・社会・マネー・投資
の闇をえぐる!』)

プロフィール:神樹兵輔(かみき へいすけ)
投資コンサルタント&マネーアナリスト。富裕層向けに「海外投資懇話
会」を主宰し、金融・為替・不動産投資情報を提供。著書に『眠れなくな
るほど面白い 図解 経済の話』 『面白いほどよくわかる最新経済のしく
み』(日本文芸社)、『経済のカラクリ』 (祥伝社)、『見るだけでわか
るピケティ超図解――21世紀の資本完全マスター』 (フォレスト出版)、
『知らないとソンする! 価格と儲けのカラクリ』(高橋書店)など著書
多数。
この記事の著者・神樹兵輔さんのメルマガ

「ふるさと納税制度」がスタートしたのは、2008年度からでした。2022年
度で、かれこれ14年が経ちました。

スタート以降、寄付額は年々増加し、2018年度は5,127億円に達しました。

2019年度は4,875億円とやや減りましたが、2020年度は6,725億円と前年の
1.4倍に増えています(寄付件数は3,489万件で前年の1.5倍)。

しかし、この制度に問題はないのでしょうか。

起こるべくして起きた返礼品競争
ふるさと納税制度とは、自分が指定する自治体に寄付をすると(寄付金額
には限度枠がある)、寄付額から2千円を除外した金額が、あとから確定
申告することで(寄付先が5つ以内なら寄付先の自治体が交付するワンス
トップ特例申請を居住の自治体にすれば、確定申告は不要になる)、所得
税の還付や住民税の控除が受けられるという仕組みです。つまり、実質2
千円の負担で各地の名産品が貰えるというわけです。

例えば5万円を寄付した場合は、2千円を除外した4万8千円分が、国や居住
自治体には入らずに、寄付先の自治体に入る仕組みになります。

居住する自治体の税収はその分減ります。

減った自治体は、国から地方交付税として、75%の補填がありますが、東
京23区は国からの交付税不交付団体のため、2021年度だけでも531億円が
減収になっています。

当然ですが、こういう不公平な制度設計でスタートしたわけですから、寄
付してもらいたい自治体は、高額の返礼品を贈ることをPRして、返礼品競
争が起きてしまいました。

大阪府の泉佐野市は、高額返礼品だけでなく金券として使えるアマゾンギ
フト券まで返礼品とし、2018年度の寄付受入総額が497億円にも達し受入
額トップになっています。

泉佐野市の同年の一般会計予算517億円にも匹敵する寄付総額だったのです。

それでもまだ泉佐野市には、1,000億円以上にものぼる借金が残っています。

なぜなら、泉佐野市は1980年代からの国家プロジェクトである関西国際空
港建設(1994年開港)に協力し、空港周辺インフラとして、空港のある人
工島を結ぶ連絡橋の建設や、副都心計画としての「りんくうタウン」造成
に莫大な投資をしたからでした。しかし、バブル崩壊もあって企業誘致な
どが思うように進まなかったためのツケが残っていたからでした。

このように、財政逼迫の泉佐野市は、もともと「第2の夕張」になるとも
いわれた自治体だったのです。ゆえに、なりふり構わず「ふるさと納税」
の寄付金を集め、そこから高額返礼品をバラ撒いたというわけでした。

しかし、少し考えればわかることですが、本来、国や寄付者の居住自治体
に入るはずだった税金が、返礼品や事務処理費用、ネット上の専用ポータ
ルサイトの広告代や、返礼品の対象事業者の売上分だけ消え去っていく流
れです。

とてつもない税金の無駄遣いになっているのです。
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